さて、前回は機体を構成する流用パーツに見当をつけるところまで進めましたが、今回はしばらく資料を睨みつつ唸る時間が続きました(;-_-+。
『93式練習機 (赤とんぼ) 』をベースに機体前半部を製作していくプランですが、全体的なシルエットにやはり違いが見られます。
資料としては今回は映像を重視してみました。この『初代アルカディア』は正式な設定画というものが少なく、メカデザインの板橋氏のおこした設定画は三面図のみのようです。他は松本御大のラフを作画スタッフがクリーンナップしたもので、個人的にはこの絵と三面図にいろいろ矛盾点があるような気がし、どちらを重視するか決めかねています。そこで、とりあえずはひたすら本編を観続けてイメージを膨らませようとしていました。
コクピット周りは削り込むことでそれなりに調整がきくように考えていますが、主翼付根付近のラインの違いがどうにも気になりました。
加工作業の便を考え、機体を水平にカットして、それぞれ調整してみることにします。切り離した各々のパーツはここで左右を接着しておきます。
『零式戦闘機』をベースとする機体後半部です。
ここもこれから先の加工に備えて内部にエポキシパテを詰め込んでおきます。
コクピット近辺の膨らみが大きいため、かなりの削りこみが必要です。
穴が空くことは必至なので、あらかじめエポキシパテで裏打ちしておきます。
そして、コクピットのシート後部の部分には大幅な肉付けが必要です。このように盛り付けておきます。
エポキシパテが乾燥したところで、強引な肉削ぎ作業の開始です。
このように透けて見えるほどに削り込んでいます。これで膨らんでいた部分がかなり直線的になってきました。必要とあらば、更に削り込みの作業が入りますが、下半分のパーツとのバランスを見て決めます。
次はエンジンです。『93式練習機 (赤とんぼ) 』のパーツを流用しましたが、カウリングと径を合わせるために若干削った程度で、あとはそのまま使用します。
カウリング内部に接着……当初はモーターを仕込んでの「プロペラ回転」ということも模索していたのですが、機体前半部分の加工処理などを考え合わせると、断念せざるを得ませんでした。
コクピットの開口部も、もう少し広げてやる必要があります。後で、この部分と機体後半部のパテ盛りした部分で、上手くラインを繋げる作業が発生してきます。
機体先端部分が長すぎるようなので、ここも更に切り詰めています。
この機体前半部分とエンジンカウリングとの接点をどうするかという問題があります。
まだプランがまとまらないのですが、このようにエンジンパーツをジョイント代わりにしてみようかと考えています。
再び、機体の構成パーツを並べてみました。
似ている機体がない、ということを承知で製作を始めた訳ですが、それ以前に、イメージを膨らませていくことに一苦労といったところです。それだけに面白い、というのもありますが……手強ければ手強いほど、どこまで迫れるのか……という楽しみも。
ともあれ、技術的な問題もさておき、自分の中でイメージを膨らませることが出来なければ、手もまた動いてはくれないということでしょうか……しばらくは思案に耽る時間が必要なようです。