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俺がその名を受け継いだ「古代進」の気持ちが……
よく判る…今、運命の輪が巡って来たのだ!!
古代進 (32世) -第1話より
西暦2001年1月7日……「まほろば建造計画」最終話をアップした翌日に、作業を開始することになりました。
「予告篇」でもお伝えした通り、今回使用するのはバンダイ製1/1000キットです。最近、シリーズ全般に渡って再版されていましたが、当時、各スケールで発売されていたヤマトのなかでは、ほぼベストキットだと個人的には評価しています。この1/1000スケールキットは、「完結編」公開時に、それまで出回っていたキットをリメイクし新たに発売されたものだったと記憶しています。ですから、ヤマトのキットとしては (他の艦も含めて) 最終リリースのものということになります。「それまで出回っていたキット」とは、ほぼ同サイズですが、艦首部分等がかなりバランスが悪いものだったような印象があります。かつて、第三艦橋の代わりにゼンマイボックスが付いていたキットを改修したものだったと思いますが……。
「予告篇」での発言を早くもひっくり返し、やはり艦体の作業から手を付けていくことにしました。まず、最大のポイントは艦体の切断と延長にありますから、艦体の構成部品をマスキングテープで仮止めし、全体のバランスをどう変更していくか考えてみました。
側面からの写真です。1/700のキットをスケールダウンしたような印象を受けましたが、かなりよくまとまっていると思います。実際、設定資料の側面図と比較してみても、大きな相違点はないように思えます。
昨今の「プレイステーション・バージョン」への改造はディテール、ボリューム等「似ていて全く非なるもの」ですから、かなり手ごわいのですが (…そちらの方は相互リンクして頂いているBluegaleさんのホームページで取り組んでおられます) 、年末に発売された「総集編」のピンナップに描かれています側面図も、全体のボリューム、バランスはそのままで艦が延長されているように見えます。
あまり考え過ぎるとかえって判断を誤りそうな気がしてきました……さっそくレザーソーで艦首部分を切断しました。
切断箇所は、第1主砲台座の手前です。
この切り出したパーツで艦体前部を構成しますから、出来るだけ長めに切り出しています。
吃水線以下の部分はもう接着してしまっています。それから、今後、この吃水線以下の塗装済み部分を「赤パーツ」と省略表記したいと思います。
艦尾部分は写真のように切断しています。
ですが、艦尾部分はかなり手を加えることになりますから、実際このブロックを切り出したものの、どこまで活かしたかたちになるものか……赤パーツなどは使わないことになるような気がしています。
波動エンジンのノズルも、この写真で仮止めしてある正式パーツは使用しません。原作中で良く使われている後方俯瞰の絵を意識して、かなり思いきったデフォルメ・ボリュームアップを考えています。
取り残された中央部分です。そして、このパーツは使用しないことにします。艦首・艦尾ともに出来るだけ長めに切り出しましたから、この部分がワリを食ってしまっています。積層プラバンで延長しても良いのですが、別の手段を選んでしまいました……。
今回の計画にあたって、基となる1/1000スケールのキットを3個用意しました。
これは単純に、増えた主砲塔の数を確保出来る分だけキットを買ったということなのですが……。
当初は主砲塔などは複製するつもりでいました。しかし、新たにシリコンゴムやキャストを買うよりも、キットを複数用意するほうが遥かに安上がりだということに気付いてしまったのです(笑)。
ですから、ここで2個目のキットを取り出します。そして今度は、艦首と艦尾を犠牲にして、この中央部分を長めに確保するように切断してやります。
2個目の艦体パーツを広げた写真……なのですが、ここでしばし考え込んでしまいました。
デジタルカメラの再現力では無理があるのか、上の写真ではまるで解らないのですが、赤パーツの色が、なんとも妙なワインレッド調の色になっていました。
色調を不自然に変えてみました。これで多少は判別がつくでしょうか?
下が2個目のパーツです。見た目の色の違いはこんなものではないのですが、色調の違いを写真でお見せ出来ない以上仕方ありませんね。
原因も解りました。今回用意した3個のキットのうち1個は、ずっと保管し続けていた、発売当時に入手したものだからです。
1983年の3月に買ったキットですから、18年眠っていたことになります。それによる「退色」です。おそらく。
この写真で解るでしょうか?
上のパーツのほうが、エッジ部分等が下のパーツに比べて、遥かにシャープに抜けているのです。感動的なまでの違いがあるのですが……。うーん、どうも独りで盛りあがってしまっていて、あまり感動が伝わっていないかもしれません(苦笑)。
今度は、艦首・艦尾部分を犠牲にし、艦体中央部を広めに確保して切断しました。
この部分は大きな改造は施さずに使用する見込みでいます。後部主砲塔の台座部分 (第3主砲……最終的には第4主砲) は底上げ等の処理が入りますが、せっかくシャープに抜けているパーツですから、それを活かしたいと思います。
上甲板部分を取るとこのような状態です。
これは仮接着が終わった状態、左側・艦首方向の接合部に、プラバンを約3ミリの厚さにしてスペーサーにしてあります。この方法が可能だったのは、艦体を5パーツで構成するという、見事なキットだったからです。作業はかなり助かっています。
前述した艦首部分 (左側) と並べるとこのような具合です。
これで側面のラインを揃えられますから、後の処理も軽減できます。「まほろば」はここにエポキシパテを盛りつけ、加工していく手順でしたが、やはり、エッジがこの部分のみ甘くなるといった、不具合がありました。
余談ですが、ウォーターラインなどの艦船キットでは、最近になり艦体のパーツ分割が左右の分割形式に移り変わってきたようです。例えば「まほろば」で基キットに拝借したタミヤの「大和」と「武蔵」は従来通りの底板に艦体部品を載せる形式でしたが、「信濃」では左右分割となっています。それにより、今までは比較的甘くなっていた艦体側面のモールドがシャープに抜ける訳ですが、「ヤマト」関連のキットはその殆どが左右分割でした。側面のディテールがより重要な宇宙船ならではでしょうか……。
前部主砲塔台座に1.2ミリプラバンを接着。さらにカットして、400番の耐水ペーパーがけをしました。
もう少しこの部分に高さが欲しかったのです。この部分の更に前方に主砲塔が一基増えますから、第1と第2主砲の高低差が必要になります。
ヤマトのキットは、どうもこの部分を設定に反して表現する伝統があるようです。形状そのものは別に悪くないのですが。
この部分の甲板はキットのように、艦首から水平に広がってくるのではなく、側面のラインと揃って、艦橋に向かってスロープがつくのが正しいようので、ここを全て埋め立てていく必要があります。
とりあえず、深い考えもなしに、プラバンを埋め込んでカットしてみました。ただ、全て積層プラバンで埋め込み処理を行うのでは、どうも手間がかかりそうです。
結局、ポリパテに登場してもらうことにしました。
「まほろば」のバルジ増設以来ですから、ちょっと久し振りです。
やはり、すごい臭いです。頭が少しくらくらしてきました。
大雑把にも盛りつけて乾燥させます。
気泡の処理や、削り込み過剰など、一度の盛り付けでは絶対に処理が完了出来ないことはもう経験で学びましたから、かなり乱暴になってしまいました。
しばしば、途中経過の写真をお見せしていくことになると思います。ここは、時間をかけて整形していく予定です。
艦首近辺…波除け板と艦体との接合部付近は窪んだ形状になっています。ここにもポリパテを盛りつけます。この部分の形状も各スケールのキットともに同じような形状に処理されています。
……この部分の形状は難しいところですね……宇宙戦艦ヤマトの実物を見たことがないので、なんとも断言しかねてしまいます。設定の絵の一部を見ると、三次元的には、キットで処理されている形状も解釈としては成り立つようにも思えますし……うーむ。

艦首部分の赤パーツ。バルバスバウの底にも余ったポリパテを盛りつけます。
この部分のボリュームアップはもっと計画的に処理する必要がありますが……。
艦首部分に400番の耐水ペーパーをかけて、第1段階の処理が終わりました。
パテの食いつきが悪く、先端部分などで大きく剥がれたりしていますし、気泡などもやはり多数見られます。
引き続いて何度か同様に「盛りつけて耐水ペーパーがけ」の処理を行っていきます。
主砲周辺の甲板部分もデザインナイフでおおまかにカットし、400番の耐水ペーパーをかけました。
とりあえず今週はここで作業を切り上げてしまいました。
現状の写真です。「進水式」にはまだ程遠いようです……。
さて、また長い旅が始まってしまったように思います。「まほろば」も完成したことですし、「少し休もうか……」とかなり真剣に考えもしましたが……。
今度は「コレクションサイズ」的なものですから、変にのめり込まないようにするつもりでいます。ですから、前の旅ほど長い時間はかからないと思うのですが、どうなることでしょうか。
もし、よろしければ、再びお付き合いください。
「まほろば建造計画」と同様に、内容の充実度にバラツキは出てしまうと思いますが、「毎週更新」を心がけていきたいと考えております。
第2話は1月21日(日)頃までにアップの予定です。