「やまとは くにの まほろば」 ТОPへ戻る
『大和型の次が「紀伊型」と伝えられているが、それは「まほろば型」の存在を隠蔽するためのカムフラージュ作戦にしかすぎぬ!!』
【〜第1巻第1話より】
……と、いうことで(@_-;A。今回の単発企画は、作品中では、上記のように「まほろばの存在をカムフラージュするための存在」と設定されていた、超大和型戦艦。俗に言うところの「A-150」とか「紀伊型」というモノですが、それを造ってみようと思います。
史実によると「798号艦」「799号艦」の2隻が予定されていたようです。
設計途中で計画が頓挫したため、製作にあたっては、かなり逃げがきく代物です(^o^) 。
フジミからキットも出ていて、まだ市場に出回っているようですが、キットストックで十分製作可能なので、いろいろ流用しながら造ってみたいと思います。
タミヤの「武蔵」と、タカラの「連斬大和」のシークレットを使用するのが一番時間短縮出来そうなので、それで進めてみます。
2008年9月28日製作開始。便宜上、以下はこの艦のことは、【紀伊】と呼びます。

……先に「色」の話を。
「紀伊」の竣工は順当にいっても1947年頃となっていたようです。そこまで太平洋戦争が続いていたとする想定は、ちょっと史実との乖離が激しく、妄想にも限界があるというものなんですが、末期の空母の迷彩などを参考にするのが一番無理が無いかと思います。
私の場合、塗装に関しては主にタミヤ缶かタミヤカラー使用のため、調色の必要が出てきます。
モデルアート誌の記事などを参考に、【外舷2号=左上】と【外舷1号=右上】を調合。ニュートラルグレーにミディアムグレー、ミディアムブルー、ホワイト、グリーン、濃緑色などを使用していますが、混ぜながら色調を確認していったので、もはや何が何パーセントとは言えないです。
左の写真は、ちょっと光ってしまって判りにくいですが……テスト塗りをした後、更に微調整をしています。
色見本があるにはある訳ですが、印刷物は色合いが違って見えるのは当然のことで、『これ』という決定的な色を断定は出来ない。ある程度は個人的嗜好で決めてしまうしかなさそうです。
基本的には、いつも私が戦艦類を作る際と同レベルの追加工作だけはしていこうと思います。
組める部分はどんどん進めてみます。エッチングパーツのハッチやハシゴ類を中央構造物に取り付け、塗装も進行。2色の塗り分けはあくまで想像です。実戦を考慮したうえでの、戦艦の迷彩塗装というのは、帝国海軍では稀有なので、前述のように雲竜型空母や信濃を参考にしてみます。
エッチングパーツの使用については、出来る範囲内で処理するつもりです。
技術上の問題もあり、どうもゴテゴテと取り付けるのは苦手です。、だいたい通常は、艦橋の窓枠は変更しているので、まず夜戦艦橋の窓枠を処理してみます。
・・・(;´Д`)作業としてはちょっと手ごわい部分でした。
艦首のフェアリーダーと菊花紋章取り付け部は、タカラの連斬から切り出して移植しています。タミヤのキットは、抜きの都合上ここがあっさりとしていて、ややボリュームが少ないようです。このあたりは、後発の強みでしょうか。
タカラの連斬大和は、タミヤのキットがあえて (あるいは金型の都合上) あっさりとした表現にした部分に力を入れているような気がします。
……としても、今や殆ど購入することも難しくなっているようでは、せっかくいい出来であってもどうにもなりません。なんとかならなかったのでしょうか?勿体無い話です。
逆にタミヤのキットはこの10年そうであったように、これからの10年もウォーターラインシリーズを牽引していくことになるのでしょうね。(´▽`*)。
で、そのタミヤがオミットした部分の「格納庫のハッチ部分」はこのようにプラ版で追加工作しました。
ケータイ写真のためピントが甘くなりました・・・(;´Д`)。
次は、個人的に一度チャレンジしたかった「ターンテーブル」と「航空機運搬軌条」の追加工作です。
キットそのままのほうが、「縮尺」としては正しいのですが、あえてオーバースケールなものを取り付けます。まずはターンテーブルを流用パーツで強調します。
あまりにもオーバースケールなので、いくぶん削ってみます。
次は「航空機運搬軌条」です。
最初はエッチングパーツの流用を考えましたが、私の手に負えるレベルの作業でなかったようです。あえなく頓挫。
リテイク作業として、0.4ミリの真鍮線で再現してみます。差込みの必要がある場所にピンバイスで穴を開けるのですが、この作業でピンバイスのドリルを2本折ってしまいました。ガックリですΣ(゚Д゚;。
……おおよそ3時間半の格闘の結果がこれです。
もうちょっと……精度というものが出せると良いのですが。(;゚д゚)ずっと以前からの課題ですが、なかなか……。
もちろん、納得できるまでリテイク作業を続ければ良いのでしょうが、作業時間の制約などいろいろとあるので、このまま進めることにします。

錨鎖は市販の金属製チェーンに変更、これも最近は定番となっている処理です。
色が凄いのですが、メタルプライマーを塗っておきます。
そして、艦体上甲板にざっとタンを吹いておきます。
……今回の艦体部の仕上げの流れは、ここから、上面の塗装→エッチングの手すりの設置→側面の塗装という具合になります。まずは艦首付近の塗装。
この【紀伊】は大分県大神に新たに建設された工廠で建造される計画でした。
そこでタミヤカラーの「佐世保工廠色」にしてみました……なるほど、かなり暗いです。
艦体を調色した2種類の緑で塗っていきます。
あまり考え込まずに、気の向くままにやっています……結果的に、タンで塗装した部分は1割程度しか残りませんでした。ここでは全て筆塗りで処理しています。
艦橋などの中央構造物は、組み立てと塗装をけっこう良いペースで進めています。
このあたりは全て「連斬大和」のパーツを使用です。
タミヤのほうを使っても良かったのですが、上部艦橋の窓の周囲の造型がなんとなく「悪人顔(?)」しているのが気に入ったので、「連斬大和」のほうを使いました。

艦体上面の塗装が終了した状態です。
ここでエッチングの手すりを接着し始めたのですが、まるで上手く作業が進みません……結局、手すりは今回は断念することとなりました。
久しぶりの作業だったという事と、いつもはガイドも兼ねた縁取りを、極細プラ材で艦体周囲に付けてからの作業に慣れてしまっているのが原因です。それ無しでは手すりが付けられなくなっている己に気がついてしまいました・・・(;´Д`)。
主砲塔の塗装も始めます。
実際、「まほろば」の主砲口径で、大和型の艦体では、物理的に三連装砲塔は無理なはずです。
と、考えていくと、大和・武蔵の改造で1/700のまほろばを作るのは縮尺的には「大嘘」ということになります。
調べていませんが、ニチモの1/600のキットぐらいで造るのがちょうど良いのかも知れません。
艦体側面の迷彩は「信濃」を参考にしました。
このパターンの迷彩ってなんだか空しくなるような狙いなので、戦艦には似合わないとも思いましたが、まさか、終戦時の長門や榛名や伊勢等の迷彩ではあんまりなので、他に選択肢はなかったように感じています。
主砲3基の塗り分けはこのようにしてみました。
防水布部分はカドを落とすというのも定番作業ですが、私は割合とこの感じが好きなので、あえてそのままにしています。
色はこの防水布用に調色して作り置いてある専用のもの……ウェブでは「白」にしか見えないと思いますが、実際はグレー等いろいろと混ぜています。

カタパルトやクレーン類は、エッチングのストックが底をついてきたので、今回は使いません(´д`ノ)。
カタパルトと水偵は「連斬大和」のものをそのまま使用。カッターも同様です。
クレーンは、無理を承知で真鍮線からの自作で処理してみます。

主砲と10センチ連装高角砲 (計14機・28門) を艦体に取り付けます。シールド付の25ミリ3連装機銃が少ないと感じる方が多いと思います。沈没時の大和などを参考にすれば、それはもう膨大な数が必要ですが、あえて、です。
この51センチ主砲を持つ紀伊を、本来の力を引き出すべくまともに運用するのには「制空権」を確保した上でのアウトレンジ攻撃のみ。で、艦載機に取付かれた時点で51センチ砲は宝の持ち腐れになってしまうのは明らかなので、あえて割り切ってみました。「防空」は秋月型に一任……これがもし完成しているぐらいならば、当然秋月型もそれなりの数があってもいいでしょう (;´Д`)。
作業途中の写真を撮れなかったので、随分とはしょってしまいますが、細かい部分を取り付け・調整等々しまして、12月4日に竣工しました(;`∀´)
製作期間はほぼ2カ月ということで、まぁそれなりの出来となりました・・・(;´Д`)。
以下、アップの写真や、もっともらしくしたモノクロ版含めて、いろいろ載せてみます。

「海面」は、写真をA4サイズでプリントしたものを並べただけのものです。
私の場合ウォーターラインでしか製作しないので、簡単な撮影ならこういうものの方が面白いかと思って作りました。
ひとまず、当サイトのコンテンツのものでは、2008年の最後の完成品となりました。
第1章の「比叡」が竣工していないというのに、このコンテンツに割り込ませたのは、構成に無理があるなぁ、とは思っています(@_-;A。
しかし、同時に「ウチのサイトの名目上、この艦ならば許されるだろう……」という確信犯でもありましたが。(´▽`*)
近年いろいろと手を付けている艦船類を、別のサイトを作って、紹介していくほどの余力はもう全く無いです( TДT) 。ですから、「場所としてはここしかないのか……」と、最近は考えています。
実際、「最後の完成品」と書きましたが、遊びで作っていた重巡『利根1941』が12月18日に竣工してます。あまりいじくらなかったので、工期は12日(^A^;)。



どちらかと言うと、ウェブ制作のほうが体力的にはキツいというのが現状です。
まぁ、無理するつもりはないので、のんびりと進めていきたいと思います。
それに、軍艦にどっぷり漬かっているうちに、そろそろ『まほろば1945』の事も真剣に考えはじめている今日この頃です。
とりあえず、第2章・閉幕です(´▽`)。

2008.12.21 sa-toshi