「やまとは くにの まほろば」 ТОPへ戻る
……さて、今月からはいよいよ実際の製作作業に入っていきますが、早速問題に行き当たり、四苦八苦しております。
従って、今月はそれほどの進展はありません。まず、取りかかったのは「木甲板の表現」と「主砲塔」です。
……未塗装のキットの木甲板部分です。
ウォーターラインシリーズのキットでは、表現方法に各社ごとや年代ごとに差異がありますが、ほぼこのようなモールド表現が施されています。1/700スケールということを理詰めで考えてしまうと、オーバースケールになるのですが、写真を見てみますと、ほとんど体育館の床と大差ありませんので1/700では表現は不可能です。しかし、のっぺらぼうの表現というのもあまりに酷です (その場合はマスキング処理して塗装のみで表現?)。
「幅15センチ程度の板が敷き詰めてある」ことの「記号的な表現」とでも言えば良いでしょうか……やはりなんらかの処理はしたいものです。上の写真「試作艦」の木甲板はこのモールドをいじらずにセールカラーを塗っています。
全面的に貼りかえる、ということも検討しました。
これはエバーグリーン製のスリットが入ったプラバンです。
もともと、現在中断している「まほろば」の上甲板用に使用出来ないかと考え、入手しておいたものです。
これに塗装表現もプラスしていけば、かなりアクセントが利いたものになるかもしれません。しかし、やや厚みがあるので、単純に「比叡」の甲板上に貼りつけることもムリなようです。むしろ、空母の飛行甲板をまるごと造り替える時に有効かもしれないです。
……今回思いつきで製作してみた「木甲板」がこれです。
この写真を見ただけで、かなりインチキ臭い感じがしてしまいますが、こんなものでも造るのには5〜6時間かかってしまいました(-_-;)
「木甲板」の表現はどうするのか? これに関してはモデルアート誌の記事などを参考にさせていただきました。
素直に記事どおりにマネしても良いのでしょうが、なにかしら自分なりの考えは注入してみたいと考えました。……そこで、たまたま思いついたのがこの「木目シール」を使用する方法です。
1/700というスケールでは、そうとうムチャな選択であるのはもちろん解っているのですが……。
(当初は、上のように2種類のみのシールでは木目の調子が単調になるかと危惧しましたが、同じシールでも場所によって木目、あるいは色の濃淡の変化がかなりあり、まあまあの出来。幅1ミリ、長さ20ミリ程度にカットしたものをひたすら張りつづけていきました。ただ、シールの厚みがかなりあるので、やはりこれをそのまま貼るのもまたムリのようです。カラーコピーしたものを貼って、クリアーを吹いてコーティングという方法を試してみる予定ですが、軽空母の飛行甲板でテストするつもりです=来月掲載予定。
……さて、完全に手の動きが止まってしまったのが、この「毘式45口径36サンチ砲」です。
「毘式」の名称はこの砲がヴィッカーズ社 (英) 製であることから。
金剛型戦艦建造当時、世界最大の新型砲で、「金剛」が世界初の搭載艦であり、「金剛」「比叡」が純ヴィッカーズ社製の砲で、これをもとに国産化されたものが他戦艦にも搭載されました。
左がキットのパーツ。右がピットロード社製のパーツです。
……どちらを使うべきか悩み始めてしまいました。写真をいろいろ見てみましたが、どちらも甲乙つけがたい感じがしてなりません。天蓋部分のボリュームはキット純正パーツのほうが似ているようですが、側面のナックル(角度のついている部分)は、ピットロードのほうに軍配が上がるように感じます。しかし、いろいろ資料を漁ると、一見同型に見える36サンチ砲にもいろいろ差異があるようでして、どうもヴィッカーズ社製とコピーした国産のものとの違い、というのがポイントになりそうなのですが……。
いずれにせよもう少し勉強が必要なのは間違いありません。どうも戦艦「扶桑」「山城」に搭載されたものはかなり違いがあるようです。あとは、戦艦「伊勢」「日向」と違いがあるのか?という点です。12戦艦はみな製作予定があるので、ちょっとはっきりさせたいものです (しかし、何年かかるか……)。砲身はピットロード社のほうを使用予定、やはり「防水布」がポイントです。
もしやすると……キットパーツ=「金剛」「比叡」。
ピットロード製パーツ=「伊勢」「日向」という選択でも良いのかも……その結論を出せないうちに、次なる疑問点が発覚!!
〇で囲ってある部分、「観測鏡」か「照準演習起動機(おそらくこちら)」というもののようですが、写真で見る限り、「伊勢」「日向」には明らかに付いているのですが、「比叡」にこの部品が取りつけてあるのか疑問です。写真を見る限り、付いていないように見えるのです。中には怪しい写真もあるので、年代によって、違いがあるという可能性も否定できませんし……何か迷路の中をさ迷いはじめたようにも思えます。
……まったく奥が深くて、思い悩むとキリがないようです。本格的に資料に目を通すようになってまだ1年弱、それでは無理もないのですが。
主砲の砲身ですが、少しおごって、市販品の加工済み真鍮製品を用意してみました。(KEBEROコーポレーション製造・フラグ・シップ販売)
御覧のように素晴らしい出来。自作ではとてもここまで造れません。
さて、次回はこの主砲の製作(?)と木甲板のテストをなんとか実現したいと考えております。
次回は7月27日更新予定です。