「やまとは くにの まほろば」 ТОPへ戻る
今回は、前回どうにか方向性が見えてきた作業を進めてみます。
航空機作業甲板と前檣楼土台部分の形状修正に手を付け始めました……実質的には今回が「第1夜」のようになっております。

作業内容に関しては、私自身がまだまだ軍艦の固有名詞に弱く、そろそろ文章で表現するのがなかなか辛くなってきました。そこで、ある程度実験的な試みとして、「極力、写真で説明する」という手法にしてみました。2枚並び、3枚並びの写真を多用しています。基本的に「左から右」の流れです。
航空機作業甲板の修正から始めます。この航空機作業甲板は、金剛型の4隻は全て形状が違うということのようです。もともと、この部分は近代化改装時に増設された施設ですから、なおのこと形状にバラツキも出たのでしょう。キットは当然の事ながら「金剛型4隻全て共通」です。そこで、「比叡」用に形状修正が必要となり、手持ちの資料と睨めっこして考えをまとめていきます。
左舷側の張り出しは明らかに不要なので削り落とし、プラバンで裏打ちしています。また、左舷の艦尾側の「欠け」も無いようですから (資料によってはこう描かれているものもありましたが……)積層プラバンを接着しておきます。
そして、不要部分をデザインナイフで削り、400、600番の耐水ペーパーをかけておきます。なお、この部分の側面のディテールも良く解らないことのひとつです。「比叡」は何故か、この部分を左側から写した写真があまり見当たりません。どういう訳か、右側からの写真が多いようです。写真の画質の事もありますから、だからといって右側のディテールを把握し易いということでもないのですが……。
木甲板のモールドがまだかなり残っていて、なにやら気になって仕方ないので、彫刻刀でならしていきます。
そして、今度は右舷の先端にあるラッタル (階段) が気になってきます。この部分を真上から写した写真があるのですが、どうもこの場所には付いていないように見えます。
いろいろ資料などに目を通し、しばらく悩んでいましたが、結局閉鎖してしまいました。今ひとつ自信を持てないところです……。
今度は側面の形状です。これは真上からの写真を見たときすぐに「!」と感じましたから、思いきって処理しています。彫刻刀の平刀で角度を垂直になるよう留意して、大幅に削りました。
かなり角度が変更されているのが解ると思いますが、実はこれでもまだ少し「甘いか」という気がしています。
しかし、ここではとりあえずこのままにしておきます。
ストレート組みのキットの写真です。
左舷にある「起倒式クレーン」の取りつけに関しても、かなり加工の必要があるようです。艦尾方向に倒れていく仕組みですから、このクレーンがきっちり納まる「溝」が必要です。また、主砲の脇あたりに、クレーンの先端部分の「受け」もこしらえてやることになります。
このあたりは、今回は具体的に作業を進めるまでには至りませんでした。
しかし……本当にややこしいものです、もう少し資料を漁ってみないことには無理か……などと考えているところです。かなり参ってきましたから、気分を変えて前檣楼のほうに取りかかってみます。
「金剛型戦艦」 (学研刊) に前檣楼のかなり見やすいイラストが掲載されていました。これを丸ごと信じて修正作業の拠り所にしていこうと考えました。まず、土台部分が後方に張り出し過ぎのようなので、カットし、開口部はそのまま活かして作業を進めてみます。
このあたりはさすがに文章では辛くなってきました(-_-;)……何をやろうとしているのか、あまり解って頂けないかもしれませんが……この近辺の構造はなかなかややこしいので、おおむね完成した暁にはストレート組みのものとの比較写真を載せたいと思います。
この角の部分も4隻ともみな微妙に違うようです。
「比叡」の場合は、まず角をカットします。
そして、新たに斜めの壁を増設。裏側からは、この斜めの壁に繋がる壁を接着しておきます。このあたりは全て瞬間接着剤の一発勝負で処理しています。
まぁ、1/700スケールということを考えると、このあたりは省略すべきなのかもしれないですが、「ダメもと」で挑戦だけはしてみます。
この写真では解りにくいのですが、これで、前檣楼基部・司令塔方向へ向かう「通路(らしき構造)」がおおむね完成です。あとは「床」も作ってやりますが……今月はこれでタイムオーバーとなります。
現在のところは、実際の作業よりも、資料を見つつ唸っている時間のほうが長いぐらいです。しかし、なんとか実作業へこぎつけたということでややほっとしております。
しかし、自分の国の艦だというのに、遺された記録の少なさに何か寂しい想いがしています。写真もごく限られたものしか遺されていませんし……故に関連書籍を買い漁ると、ほとんど写真が重複しています。
「横須賀へ行けば本物が記念艦として遺されている……」というような環境なら嬉しいのですが、「比叡」はソロモンの海の底です。
書籍の類は、良く整理されていて見やすいものがほとんどですから、その点は助かるのですが、やはり根本的な資料の絶対量が足りないのです……遺された僅かな資料と、未熟な技術で、果たしてどこまで造り上げることが出来るものか……。
次回第5夜は9月27日更新予定です。