2001.12.27更新

「やまとは くにの まほろば」 ТОPへ戻る

<sa-toshi(管理人)より>
これ以降の文章及び写真は、
全て製作者のUΦ’NDER(ツァイファインダー)さんの執筆・撮影によるものです。

 

「まほろば」建造報告書

 この戦艦の建造を思い立ったのは「超八八艦隊」の一艦として建造するためでした。
実は「架空な戦艦大好き」な自分は実存艦から考えられる改装、
改造を施しいずれは艦隊を作成、観艦式を目論んでいました。
そんな中でも架空戦記横山信義著「鋼鉄のレヴァイアサン」の
ミハイル・トハチェフスキー級「ニコライ・ヴァツーチン」を建造してみたく資材の買出しをしていたのですが、
知り合いが持っていた「まほろば」の単行本をみて急遽建造を開始しました。

 制作期間は実日数で約二年その他かかった日数を含めると三年近くを費やしました。
アリイの物も検討しましたが、船体が丸ごとなのでニチモの600/1「大和」「武蔵」を使用いたしました。
これは700/1 「大和」と比較するためであり、縮尺関係がほぼ等しいためであります。
ただし、本編とは無関係な設定となっております。

全長(実測)378(540ミリ)メートル 全幅58.8(84ミリ)メートル
排水量(基準)168500トン (満載)200400トン
主砲 七〇口径五十一サンチ三連装砲五基十五門
副砲 七〇口径二十サンチ三連装砲二基六門

主兵装だけですが、このような設定でイメージしてみました。
モデルの全長は約54サンチにおよび、なおかつフルハルです。

今回の建造の絶対条件として
 1.すべて手塗りとする
 2.菊花紋章をつける
 3.可能な限り原作に近づける
4.「大和」の意匠を維持することとしました。

 まず悩んだのが切断個所の選定でした。
ウォーターラインと違い船体下部との接合面を考慮せねばならず,非常に頭を抱えました。
 上船体喫水線中部より切断,幅が若干変わる「大和」第二砲塔間は
「まほろば」第三砲塔側に少し切れ目を入れてプラ棒等で強引に同調させました。
 同時進行で切断した喫水線を4ミリのあきを作ってパテ埋めし、
小箱の台に置きなおここのパテの乾燥だけで一月待ちました。

 
まず悩んだのが切断個所の選定でした。ウォーター「大和」の45口径46サンチ砲と「まほろば」の70口径51サンチ砲の対比です。主砲塔は「超大和」級の51サンチ砲の使用を検討しましたが,45口径と短く
砲塔間があきすぎてしまうため自作しました。砲身につく風防はモデラーズのマスキングゾルを使用し自在な角度+失敗してもやり直しが容易な点で使用してみました。
砲身は中をくりぬきその中に真鍮パイプを入れて見目良くしてみました。
副砲も同様に短砲身なため真鍮パイプで作成しました。可動するため風防はつけていません。。
艦橋部は機銃の配置を除いてほぼノーマルな組み上げです。
艦橋付近の白い部分は夜光塗料を混ぜてあり,暗くするといい雰囲気が出ます。
電探は700/1エッチングパーツで代用。初挑戦の上改造だったのでこのざまです。
測距儀は短いためやはり真鍮パイプで作成しました。
増設機銃座は台座が無く(600/1は捷一号作戦仕様)頭を抱えてましたが、モールドをはめてみたら偶然一致したため一気に解決しました。
船体は切断面に腐心しましたが船体上部は比較的楽に進んでいました。が…。
バルジ及び船体下部は完全な想像のため、実にここだけで全工程の75%以上を占めバルジの調整だけで幾月費やしたか覚えていません。ここでは田宮のエポキシパテを大量に投入し、延々盛り付けては削るの日々でした。特に注目すべき素材はまったく使用しておりませんが塗料はメタルカラーのダークアイアン+焼鉄色を使用しています。
 それと後甲板の白線にも白+夜光塗料を使い暗くするといい感じで光ります。
問題の船体下部はまず悩んだのが後部噴射口で原作は4基が十字に組まれているのが
悩みどころでした。「大和」のスクリューと同じ配置ならば対応できたのですが…。
思い切って後甲板付近から切断しノズルをあてがって見ました。この時点でこの部分
は原作どおりには無理だと感じました。
ノズル一帯の部分はコストの点で紙粘土を起用して何とか作成してみました。。
下部艦橋に関しては形状がはっきりしているので比較的楽でしたが少し厚みを持たせました。ここも紙粘土製です。ここでは「新まほろば」を参考にしました。

最後に突き当たったのは尾翼です。なんと左右のノズルが突出してしまったため、尾翼6枚のうち2枚は形状を変更せざるを得ませんでした。
昇降機付近の後甲板は(0.3ミリ)3枚のプラ版を使用しラインと高低差をつけてみました。
それと主砲の長砲身化のツケでクレーンを2基に減じました。

公表としてまずニチモのプラスチックが分厚いこと(3対1ぐらいか)次に技術力のなさを痛感しました。自分にない技術がわんさか出てきました。
それと2Dから3D化するのがいかに困難か身にしみてわかりました。
正直フルハル化はだいぶ迷いましたが「やらなければ前進しない」と思いコンパチながらフルハル化に挑みました。それとエッチングパーツによるディテールアップも考慮したのですが,ついに現物と出会わずじまいでした。そのため少し見劣りしますが700/1「大和」と並べてみていかなる巨艦か実感できるようになりました。
一応竣工となりましたが更なる改装をいずれ施すつもりです。
それぞれが不断の改良をしているように…。
締めとして三面図?になります。下の写真は「大和」と「まほろば」の 対比です。