2004.7.18更新

「やまとは くにの まほろば」 ТОPへ戻る

<sa-toshi(管理人)より>
これ以降の文章及び写真は、
全て製作者のHIDEBOさんの執筆・撮影によるものです。

 
「大日本帝国海軍所属:超大和型(まほろば級)2番艦」建造記録

−艦名に関してはここではあえて銘々致しません。
これをご覧になって下さった方がそれぞれ名付けて頂ければと思います。−
○ストーリー
昭和19年12月8日、アメリカ合衆国太平洋艦隊による、広島県呉軍港奇襲により、大日本帝国は太平洋戦争に突入した。しかしながら、この世界の日本の技術力は、トランジスタ等の電子素子、とりわけ電探(レーダー)の分野にいち早く注目し研究開発がなされており、また諜報活動の重視(暗号解読および通信盗聴解析)によって米海軍の動きを早い段階で察知することが出来たため、呉の日本艦隊は被害を最小限にとどめるに至った。

○その後の歴史推移
昭和20年8月15日、日米和睦。日本に有利な形で講和を結ぶ形になった。
昭和21年1月元旦、大日本帝国は民主日本国と国家体系を改革。大日本帝国海軍は日本国防海軍と名を変える事となる。
その後、この「まほろば級2番艦」は、幾たびもの近代化改装を受けながら、2020年まで国防軍連合艦隊の旗艦を勤め、引退後は記念艦として横須賀国防艦隊司令部に展示されることとなる。

●まほろば型2番艦建造の経緯(設定)
帝国政府は米国との開戦を見越して仮想敵国研究機関を設置。戦争となれば、敵はその工業力にものを言わせ、特に艦隊戦では大量の航空機を投入してくるだろうと予測。これに対抗するための艦隊防空能力を特化した新たな戦力(兵器)として、防空要塞艦建造計画に着手した。
これは敵航空機編隊に対して40000M以上の距離からこれを迎撃殲滅し、艦隊輪型陣内上空に一切近づけない事を要求された特務艦建造計画であると言える。
 昭和16年5月、これを受け呉海軍工廠では、既に極秘裏に進水し艤装中であった戦艦「まほろばの艦体に着目し、その2番艦(改大和型5番艦)として、開発を開始することとなった。

○初陣
12月8日の米艦隊呉軍港奇襲時に際してはた米海軍艦載機郡は3派に亘り延べ400機を攻撃に向かわせたが、本艦の対空レーダーに捕らえられ、そのほとんどが、新3式対空弾※を用いた主砲斉射の一撃によって撃墜された。
また、本艦に搭載された、初歩的ではあるが3次元レーダーである32号電探によって、キンメル隷下の米太平洋艦隊の空母機動部隊は、その位置を特定され帝国海軍の追撃を受け、電探連動による正確な主砲射撃により、ほぼ壊滅のダメージを受けることとなった。








超大和級まほろば型二番艦
○要目(カッコ内はモデル実測値)

 建造所  :呉工廠
 仮称艦名 :112号艦
 計画年度 :昭和16年
 進水 :昭和17年2月19日
 竣工 :昭和19年3月13日

 基準排水量 :90,000t
 公試排水量 :96,092t
 満載排水量 :100,800t
 全
長(m) :311.15(890mm)
 最大幅(m) :38.9(111mm)
 全
高(m) :56.0(160mm)
 吃水線幅(公試/m) :36.9
 平均吃水(公試/m) :10.5
       (満載/m) :11.0
 軸馬力(計画) :260,000
      (公試) :263,553
 速力(計画/kt) :33
     (公試/kt) :33.46
 乗員数 :3,000

使用キット:田宮模型1:350戦艦「大和」および「武蔵」
eduard製エッチングパーツ1:350戦艦「大和」用

兵装:
主砲:94式45口径50.8センチ砲3連装5基15門
砲弾種別
  
対艦:93式50.1センチ徹甲弾
  対空:新3式50.1センチ対空弾

  対地:2式榴弾および98式多弾子榴弾

気化爆弾を砲弾に応用したもので、発射した砲弾は敵編隊の至近距離で破裂し、可燃物質をエアゾール化して広範囲に飛散させ、時差をおいて点火し爆発させるもの。
その威力は3連装の一斉射で直径1kmの範囲内に数千度もの高熱の火球を発生させる。
(紺○の艦隊、旭○の艦隊からアイデアを拝借させていただきました(^^ゞ)

 副
砲:20.0センチ3連装2基6門
 高角砲:電探射撃管制127ミリ連装12基
 機
銃:簡易電探測的25ミリ3連装38基
○解説○
●ハル
胴体は「大和」の艦首から約470mm、および「武蔵」の艦尾から420mmをそれぞれ切断し、つなぎ合わせて使用しています。建造中の写真が紛失してしまったため、お見せ出来ませんが、内部は補強のため、幅10mmほどの0.5mm厚プラ板を縦方向に50mmづつ、艦舷、艦底に張付けてあり、また甲板の下には1.0mmプラ板を300mm(艦首の二番主砲の真下付近から艦尾四番主砲段差の切れ目付近まで)を張付け、プラ角棒でさらに補強を入れて有ります。それを土台にし、両サイドをプラ角棒で嵩上げし、中央構造物の基礎としてあります。

●艦首
日本帝国海軍所属艦ですので、菊花紋章が輝いています。(ちなみに煙突には菊水マークが描かれております。
基本は素組みですが、鎖はモールドを削り取った後、フラッグシップ(私が良くお世話になっている川崎の模型屋さんです)オリジナルのチェーンを取り付けています。また、第一波除板?は0.5mmプラ板にて製作して有ります。
●中央構造物
前部鐘楼、対空砲基部、主マスト、後部艦橋とその構造基部はすべて「大和」のものを使用していますが、 127ミリ連装高角砲は武蔵のものも使用してすべて防爆シールド付きを採用しています。
これは当艦の設定において、

@高射装置が電探連動化され、主砲発射中も高角砲の射撃が可能となったため、主砲発射に対する防爆装備が必要であるため。
A防弾シールド装着により、敵機銃弾等の着弾時、対人被害を出来るだけ少なくするため。

としているからです。また、高角砲の砲身は真鋳パイプに交換致しました。
●鐘楼
○防空指揮所:頂部の射撃方位盤が白く塗装してあるのは、連合艦隊所属艦であることを示しています。
○電探:「大和」のキットにある15m測距儀上には何故か21号電探の倍の高さの電探がセットされているので、それをそのまま使用しました。測距儀側面の縦長の電探は「武蔵」の21号電探を切り取り、取付けています。
●上甲板
キットのモールドをヤスリで全て削り落とした後、DIY店で購入した「木目調壁紙」を1mm幅に刻んだものを張付けてあり、表面保護のため、艶消しクリアーを吹き付けておきました。それなりに雰囲気が出ているでしょう?
もちろん壁紙ですので粘着剤もついているし、私のようなものぐさ者にも楽チンな方法でした。(切り貼りは少々肩がこりましたが(*_*))

●9mカッター
艦舷側にあるダビットに懸架されている9mカッターの数ですが、本艦には両舷で6艇、さらに両舷の艦尾格納庫に各一艇ずつ吊り下げられています。
●艦尾ジブ・クレーン
 「まほろば」と「2番艦」の大きな相違点。そう、それはこのクレーンの装備数‥‥。両艦の任務の違いから、「2番艦」には一機のみの装備となった、としておいてください(*_*)。正直に言ってしまうと、クレーン増設のためのスペースを確保するのが難しかったのと(技量不足!!)、それを克服する根性が無かったのです。トホホ‥‥。
○ジブ・クレーン崩壊事件
完成竣工し、手直しをしていた時のこと、うっかり手を引っ掛け、エッチング製のトラスはグニャグニャに崩れてしまいました。マジにあせった\(◎o◎)/工廠部は真鋳線を補強フレームに建て、そこに伸ばして補修したトラスを瞬間接着剤にて張付ける補修、改修工事を行いました。
●主砲
見ての通り、キットの45口径46センチ砲を使用。ピンバイスにて開口し、45口径50.8センチ砲と設定。実に安易です。

●副砲
sa-toshiさんの「まほろば建造計画」を参考に、キットのものに真鋳パイプを組み合わせ、口径を上げ、20.0センチ砲と設定しています。
●空中線等
基本的に戦艦「大和」「武蔵」を参考にはしています。
絹糸、真鋳線、ステンレス線等、色々と試してみたのですが、やはり釣りのテグスが一番良いようでした。張り線を施した後、筆にて塗装しました。ちなみに、空中線はタミヤカラーのメタルグレイ、旗綱はグンゼのセイルカラーを使用しています。
●エッチングパーツ
eduard製エッチングパーツ1:350戦艦「大和」用を使用し、手摺をはじめ、カタパルトやジブ・クレーン
等、各所に取付けております。
しかしながら、使用が初めてである事もあいまって、上手に施工できたとは言えませんね。仕上げも見ての通りです。
●比較
大きさをビールの350ML缶と比較して見ます(*^_^*)

●ギャラリー●
















以上が、製作期間約3年にも及んだ、我が「まほろば級戦艦Ver.1945」です。公開しますといってからも半年も経ってしまい、面目も御座いませんでしたが、出来栄えについて、自分ではそれなりに満足しております。
私の場合、G-YAMATO建造の時もそうでしたが、原作に忠実にというよりも、自分がイメージした通りの物が出来れば良いんだ、というあくまで自己満足の世界ですから、ご覧になっていただいた皆さんのご意見、ご批判も色々おありでしょうが、これからも何かと作ってゆきたいと思いますので、温かい目で見てやっていただければ幸いで御座います。
兎にも角にも、G-YAMATOに引き続き、今回も「僚艦工廠通信」に掲載していただけたこと、sa-toshiさんには感謝して止みません。
わたくしは、sa-toshiさんの各艦建造の情熱に日頃より啓発、影響され、このサイト無くしては、私の人生37年目にしての模型製作も無かったでしょう。
次は「まほろば級2番艦Ver.2010」を計画中ですので、竣工の節はまたよろしくお願いいたします<m(__)m>
〈sa-toshi (管理人)より〉
さて、おかげさまで数年ぶりに「僚艦工廠通信」の更新となりました。
如何でしたでしょうか?
HIDEBOさんは前回のグレート・ヤマトも、60センチというビックスケールの作品でしたが、今回は1メートル近い大作です(^_^;A。私は以前から「置き場所はどうやって……」と気を揉んでいましたが、完成品を写真を見ると、イメージしていた以上に大きく唖然としています(@_-;A。
長い製作期間を費やした大作です。
なにしろ、始めることは思いつきでも出来る訳ですが、続けていくこと、完成させることはひどく難しいことで、現実には誰にでも出来ることではない。ということは、心得のある方には同感して頂けるかと思います。
私自身……おそらく2年後ぐらい先に(笑)、「まほろば1945建造計画」を控えている身ですので、大変に刺激を受けました。また、次回作「まほろば級2番艦Ver.2010」に期待するところ大です(^_^)。

これで僚艦は3隻目となりました。「僚艦工廠通信」は皆様の参加をお待ちしております。
-僚艦工廠通信 第3部 閉幕-。