2008.5.30更新

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<sa-toshi(管理人)より>
これ以降の文章及び写真は、
全て製作者のHIDEBOさんの執筆・撮影によるものです。
 
「超大和型まほろば級2番艦 Ver.2010」

○はじめに
 この度、「G-YAMATO第二次改修Ver.」「まほろば級二番艦Ver.1945」に続き、「まほろば級二番艦Ver.2010」を「僚艦工廠通信」に新たに加えて頂くことになり、管理人sa-toshi様に更なる感謝しつつ、ここに発表させて頂きます。
 前回、「まほろば級二番艦」にはあえて艦名を付けませんでしたが、今回、当艦の艦名を「あすか」と名付けさせて頂きました。
 また、「まほろば級」との比較の意味を持たせた上で、急遽竣工させた「大和Ver.1948」を同時掲載させて頂いております。もちろんこの「大和」は忠実の「大和Ver.1945」の装備とは若干異なる兵装をもった、あくまでも、この「まほろば級二番艦」の存在する世界における「大和」であることを最初にお断りしておきます。
まほろば級2番艦
日本国防軍 海上自衛隊 
 機動要塞艦(航空装甲打撃護衛艦) DVC-101「あすか」■2001FRAM改修後(2010年現在)
○要目(カッコ内はモデル実測値)
 基準排水量 :80,000t
 公試排水量 :86,048t
 満載排水量 :90,800t
 全大長(m) :311.5(445mm)
 最大幅(m) :53.2(76mm)
 全大高(m) :67.9(97mm)
 吃水線幅(公試/m) :36.9
 平均吃水(公試/m) :10.5
       (満載/m) :11.0
 
主    機 :Gas-Turbin×8(COGAC方式  機関:LM-IHI3500ER)
 軸    数 :4軸
 軸馬力(計画) :330,000Hp
    (公試) :332,502Hp
 速力(計画/kt) :35
     (公試/kt) :35.25
 乗員数 :358名 (航空科および海兵科要員を除く)
乗艦可能員数:2400名
兵  装:
  主砲:99式45口径460mm3連装半自動砲×3基9門
  副砲:OTO-ブレダ改60口径200mm単装(対空対艦両用)自動速射砲×5基
  対空:OTO-ブレダ76mmスーパーラピッド単装自動速射砲×2基
     :VULCAN/PHALANX 20mmCIWS×5基
  対艦:Mk33改3-inch連装自動速射砲×2基
  ミサイル発射基
     :VLS64セル×2(艦首) VLS29セル×2基(艦舷側)
       RUM-139VL-ASROC(Mk50短魚雷)
       SM-2ER SAMスタンダード
       RIM-7F短SAMシースパロー
     :トマホーク4連装装甲ランチャー×2基
      BGM-109(A-atype気化爆弾頭,Btype対艦HE弾頭,Ctype対地HE弾頭)
       
      90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)
      艦対艦誘導弾 ハープーン(RGM-84)混載可能4連装発射管×4基
      RIM-7F短SAMシースパロー8連装ランチャー×2基
   RBOCチャフ発射基×4基

 搭載可能艦載機:
   SH-60KJシーホーク 3機
   UH-60JAブラックホーク 1機
   CH-47JAチヌーク 2機 
   AH-1Jコブラ 2機 
   EV-1A VTOL早期警戒機 2機 
   F/AV-3VTOL戦闘攻撃機 6機 他 

 使用キット:田宮模型1/700戦艦「大和」、「武蔵」(新金型)「大和」「信濃」(旧金型)
        ニチモ1/700戦艦「大和」×2、タカラ1/700連斬模型「戦艦大和‐艦尾部」
        ピットロード1/700護衛艦「みらい」「こんごう」現用艦船装備セット〔V〕
        他、eduard、トムズモデルワークス製エッチングパーツ 等

○設定

1948年終戦を迎えた本世界の大日本帝国は、世界情勢の変化ならびに諸々の国内事情を鑑み、
天皇中心の帝国主義を一変させ、自由経済、民主主義を取り入れた新体制に移行した。
そしてその名称を「民主日本国」と変更したのである
それに伴い、軍事体系も総称を「日本国防軍」とし、陸海軍各省は国防総省に統合、その配下に
陸海空の各自衛隊として再編成された。

主要な残存艦艇は次の通りである。

戦艦 : 大和、武蔵、まほろば、飛鳥(まほろば級2番艦)、長門、金剛、比叡
空母 : 翔鶴、加賀、信濃、大鵬、葛城
重巡洋艦 : 高雄、青葉、摩耶、那智
軽巡洋艦 : 矢矧、長柄
駆逐艦他 : 38隻

これらは全てが海上自衛隊護衛艦として編入され、装備、兵装を刷新しながら国防ならびにPKF派遣に従事した。

上記の艦の内、2001年現在までに大和級(S/VTOL空母「しなの」を含む)ならびに※まほろば級のみが装備近代化改修され、その他の艦については、代替え新造され用途廃止となっている。

※一番艦「まほろば」は、終戦間際に太平洋上某所にて行方不明となり除籍されている(民主日本国政府発表による)
1990年代に入り、国内外の情勢変化、特に海外における、戦争・紛争体系の変化により、単艦もしくは最小規模編成による艦隊でのPKF活動参加を余儀なくされたため、直ちにそれに対応できる艦種の開発が計画されることとなった。

○必須条件
@単艦での戦闘に巻き込まれた際、それに耐えうる必要性から、ベースとなる艦種は打撃護衛艦(戦艦)が望ましい。
A制空権確保ならびに小規模な航空作戦、対空対潜活動が必須とされることからVTOL航空機運用能力を付加することが可能であること。
B艦隊防空機能を有するイージスシステムを有すること。
C災害派遣等による救難活動にも従事できるよう、メディカルセクションの充実

以上の理由により「機動要塞艦(航空装甲打撃護衛艦)建造計画」がスタートし、
そのベース艦に「まほろば級2番艦・あすか」が選定されることとなった。

○解説
ハルの延長など、基本的な作業はsa-toshiさんの「まほろば建造計画」を参考、というよりそれに準じた作業を行っています。唯一、異なる点といえば、フルハルであることでしょうか。
艦底部分は、幅が最大となる部分で前後を切り離し、接着しなおしています。何かの参考となれば幸いですので、ハル作成の工程をご紹介させていただきます。
●喫水線より上部の製作
 ○艦首上部の切断−接続
二番主砲塔の後ろで艦体を切断したものと二番主砲塔前で切断したものを甲板が面一になるように接着します。
一番、二番、三番砲塔の各距離が同じになるように留意しています。裏側にはプラ板を貼り付け、補強としています。
 ○艦尾上部の切断−接続
  「あすか」では艦尾が飛行甲板となるため、艦中央部を延長する手法を採っています。
○艦底接続部のベース
 ウォーターライン艦底板?を補強を兼ねたベースとして貼り付けています。錘も補強の一部として二隻分計4枚を取り付けしていて、艦底板も当然二隻分を切り貼りして使用しています。
●喫水線より下部の製作
○ハル艦底部分の加工

  艦底部分はニチモ1/700「大和」のものを2隻分使用。ウォーターライン艦底板に貼り付けるため、接合部の枠(出っ張り)を切り取っておきます。

●喫水線より下部の製作
○ハル艦底部分の加工
 艦底部分はニチモ1/700「大和」のものを2隻分使用。ウォーターライン艦底板に貼り付けるため、接合部の枠(出っ張り)を切り取っておきます。
 艦上下の長さが同じになるように留意しながら切断接合をし、上部と同じように、補強のため、プラ板にて裏打ちをしています。

●上下ハルの接合
 瞬間接着剤を使用して艦上部と艦底部を接着しています
 艦中央部ではこのように段差が出来ています。パテ埋めの際、整形しやすいよう、ガイドとなるプラ板をこの部分に貼り付けています。


○艦尾舵周辺部加工
ニチモ「大和」はモーターライズモデルであり、スクリューは一つしかないため、主舵、副舵とスクリューシャフト周辺部などは新たに作ってやらなければなりませんでしたが、タイミング良くタカラから連斬模型「大和」が発売されてくれたおかげで、自作加工部分は極少なくて済みました。

○ハル仕上げ

ポリパテにて整形後、サフ吹き→気泡つぶし→やすり仕上げを数回繰り返して仕上げています。
○兵装の仮置き
実際に、主砲、副砲、中央構造物などを仮置きしバランスを見ながらそれぞれの取付け場所を決めていきました。
  
◎各部の紹介 
 一部、戦艦「大和」との比較画像を入れながら「あすか」のディティールをご紹介します。

●全体像


「あすか」の建造コンセプトは「まほろば」に2010年現在の兵装装備を持たせつつ、「大和」級戦艦独特の正面のシルエットを失わせないこと。
 前方から見たとき、出来る限り「まほろば」級とわかる船型を保たせること。が大必須となっています。そこで「大和」「あすか」の正面の艦影比べてみます。
いかがでしょうか?
艦首です。旗竿は0.3mmの真鍮線、鎖はフラッグシップ製の極細チェーンを使用。第一波除板はタミヤ旧金型「大和」の波除板を切取って取付けています。また、フェアリーダーはピンバイスで削って表現しています。
艦首VLSです。イージス護衛艦「こんごう」の艦尾から頂きました。
舷側VLSです。こちらは艦首VLSを使用しています。
「あすか」のもう一つの大特徴として従来のパゴタマストの下部を覆うように設置されたフェイズドアレイ・レーダー(SPY-1EJ)と雛壇状の中央構造物があります。

ベースとしたのはピットロード製の「みらい」のそれに、「大和」の夜戦艦橋以上を切り取り乗せています。
鐘楼直後にそびえるレーダーマストは支柱に1/500「宇宙戦艦ヤマト」のウイングマストの支柱を使用し、それに「ちょうかい」「はるな」等、海自護衛艦のマスト部品を組み合わせています。

また「あすか」はCOGAC方式採用によりGas-Turbin×8機を装備しているため給排気系が大幅に変更され、煙突の数も形も大幅に変更されたという設定にしました。
「ちょうかい」クラスの煙突をそのまま使用すると前鐘楼に対して高さのバランスが悪いため、「ちょうかい」の中央構造部品を二隻分組合せて嵩上げし、その上に切取った煙突を載せています。

「後鐘楼」です。
「みらい」の機体格納庫に「ちょうかい」の艦橋部分を乗せています。
「あすか」はOTO-ブレダ改60口径200mm単装砲を5基搭載していますが、その正体は127mmの砲身を真鍮製重巡20cm砲用としたものです。
飛行甲板です。まほろば級の広大な?後部甲板に飛行甲板を載せ、ヘリやVTOL機の運用を行います。この飛行甲板にはタミヤ旧「信濃」の物を加工し使用しています。甲板の縁には転落防止網を取付けています。
アラートハンガー
このハンガー内にはエレベーターがあり、アラート待機中の機体がすぐに引出せる状態になっているという設定です。
飛行甲板へ改装され、取除かれてしまった2基の主砲や副砲の変わりに、近接対空装備が施されています。また、飛行甲板外周には救命筏が装備されています。
○比較「あすか」「大和」
戦艦「大和」Ver.1945の比較画像を示します。
●戦艦「大和」Ver.1948

この世界の戦艦「大和」は、「あすか」同様、2020年まで運用され、その後、記念館として呉の海事公園「YAMATOミュージアム」に展示されますが、時に2198年、謎の異性人による、遊星爆弾の 無差別攻撃により、直撃は逃れたものの着底。
しかし、地球防衛軍の一大プロジェクトにより「宇宙戦艦ヤマト」に改造されることに‥‥なる?
さて、実はこのモデル、タミヤ、フジミ、ニチモ、タカラの四社の「1/700戦艦大和」をそれぞれ組合せて製作してあります。
艦首喫水線下とフェアリーダーを含む錨鎖甲板、艦尾喫水線下、そして主砲、副砲、艦載機をタカラの「連斬模型 戦艦大和」より使用
その他ハルの喫水線下をニチモ製
喫水線より上部と上甲板までをフジミ製
後の全てをタミヤ製とし、エッチングパーツはエデュワルド製ならびにゴールドメダル製のミックスで使用しています。(ちなみに、製作途中の画像はただいま建造中の「やまとVer.2010」のものを使用しています。)

忠実の「大和」との主な兵装の違いは、1/350「まほろば級2番艦」と同じく、12.7cm高角砲や30mm3連装対空機銃に防爆シールド付
を採用している点です。
また、この艦より「汚し」に挑戦しています。やってみるとなかなか楽しく、ついやり過ぎの感も有りますが、やはり其れなりに雰囲気が出るものですね。
●航空護衛艦(V/STOL空母)「信濃」
この艦、最初はキットのまま、忠実どおりに製作しようと途中まで製作しておりました。
が、かねてから、空母「信濃」の艦橋って、海自輸送艦「おおすみ」級の艦橋とサイズ的にも似ているのでは?ってな疑問を勝手に抱いておりました。
で、思い立っちゃったんです。じゃあ、航空護衛艦「信濃」を作ってみようって。そして、こうなりました‥‥。
日本国防軍海上自衛隊 
   航空護衛艦 DCV−002「しなの」
   2001FRAM改修後(2010年現在)
 V/STOL空母としての機能の他、カタパルト2基と通常着艦用の設備も装備しているため、中継補給基地としての役割も持つ。

   ○主なスペック
    基準排水量:62,000t
    水線長:256m
    最大幅:39.4
m
    主 機:Gas-Turbin×8(COGAC方式 機関:LM-IHI3000)
    軸 数:4軸
    軸馬力:300,000
    速 力:35kt
    乗員数:3,000名
    蒸気カタパルト:2基
    
   ○艦載機:SH-60KJシーホーク 6機 
        EV-1A VTOL早期警戒機 2機
        F/AV-3VTOL戦闘攻撃機 18機
        他、F-4EJ改、F/A−18FJ、E-2CJ等の通常艦載型の機体も運用可能  
  ○兵 装
    対 空:OTO-ブレダ76mmスーパーラピッド単装自動速射砲×3基
       :RIM-7F短SAMシースパロー8連装ランチャー×4基
       :VULCAN/PHALANX 20mmCIWS×4基

    対 潜:RUM-139VL-ASROC(Mk50短魚雷)8連装ランチャー×2基
○前方より
艦全体を呉工廠色、飛行甲板はジャーマングレイ、艦底は艦底色で塗装し、汚しを入れています。
カタパルト、ジェットブラストデフレクターはPカッターを用いて筋彫りで表現してみました。
○後方より
○アイランド
この艦の目玉?の部分です。艦橋部分はほとんど「おおすみ」ですが、
幾ら何でもそのままでは、つまらないので、「信濃」の特徴でもあった斜めに張出した煙突を移植。そのほかにもECM装置やマストのレーダー関係はアクティブフェイズドアレイレーダーに変えるなど、多少手を加えています。
○エレベータ
正規のままのエレベータでは、大型化している現用機の昇降は不可能ですので、艦中央部に大型エレベータを設置しました。
(艦載機は「あすか」のものを使用しています)
●展示ケース
 よくどうやって展示しているのかというご質問を受けますので、我が家のドッグヤードをご紹介いたしましょう。市販のカラーボックスにアクリル板をビス止めして取付けてありますが、アクリル板の上部にヒンジを取付け、上に開くようにしてあります。また、埃の侵入を防ぐためアクリルと棚板の間にスポンジテープを貼りつけています。
●最後に
その昔製作した(素組みですが)1/700ヤマトを含めた集合画像で閉めさせて頂こうと思います。今回は色々とご意見が分かれるところだとは思いますが、ともかくご覧頂いたことに感謝しつつ、そして皆さんよりまたご指導など頂けたら幸せです。
〈sa-toshi (管理人)より〉

これで僚艦は6隻目となりました。今回の内容はHIDEBOさんの『大和し麗し』とのコラボレーションのような内容になりましたが、これは実は結果的にそのようなかたちになっただけでして、原稿類は既に
3年以上前に受け取っておりました。諸般の事情により、作業に大変な時間がかかってしまいました。
-僚艦工廠通信 第6部 閉幕-。