普通は……「第2話」というものは、「第1話」が終了してから始まるものですよね(^_^;A。
ましてや、「第2話」は「レシプロエンジンで音速を超える」ことにほぼ決定していたのですが、2冊の書籍に出会ったがために、それも延期となりました。
『ハードメタル 3巻』 「碧き血の紋章」に登場した「キ74 3型改」が今回の製作モデルです。
比較的最近の作品となるのかもしれませんが (「夜の蜉蝣」は1978年ですから) 、それでも1990年の作品なのでもう13年前のものとなります。
当時、この作品を読むまでは「キ74」という機体のことは、恥ずかしながら知りませんでした。
前回も話に出た「日本陸軍機写真集 エアワールド刊」にもちろん掲載されていました、それに掲載されていた写真から、図面をおこすだけの覇気はありませんでした(笑)。
また、バブル末期で仕事も忙しく、模型そのものにもほとんど触っていないような時期でしたので、「……いつか作ってみたいけど、結局は作れずじまいになるんだろうなぁ……(;-_-+」などと考えていたと思います。
しかし、先日偶然に、『日本陸海軍試作/計画機1924〜45』(グリーンアロー出版社) 『日本軍試作機』 (双葉社) の2冊と出会い、それらに掲載されていた図面やCG画を眺めているうちに、製作意欲が再燃してしまったのです(^_^;A。
実機は「与圧キャビン」「排気タービン」という、「当時は荷が重かった技術」が詰め込まれた革新的な機体です。「A26」に変わってベルリンへの飛行 (『ジパング』の話とは違って「A26」はベルリンにたどり着いてない(-_-;)) も計画されたりしていますから、このあたりはストーリーのモチーフになっているのでしょう。
:掲載されていた三面図を1/72相当に拡大し、数日間、素材キット集めに時間を費やしました。この「キ74 3型改」そのものは「架空機」ですが、基となる「キ74 1型」は16機ほど実機があったということなので、出来れば同時代の日本機から改造したほうがいいだろう……という考えでした。さすがに「キット化」を期待できるものでもありませんし……かといって、こういったものをプラ素材からのフルスクラッチというのはかなりの冒険です。
ポイントとしては「出来れば機体直径をそのまま活かせるものが良い」ということでした。「延長」は覚悟の上でしたが、「細身の葉巻型」の機体直径を修正するのはかなり骨が折れます。
物色した結果、ハセガワ製の「1/72 キ67 四式重爆撃機 飛龍」を使用することに決定。
なんと、機体直径だけでなく、機体の延長も不要という幸運に恵まれました。……機首部分を自作せねばならないのは覚悟の上です。
「飛龍」はキャビン部が機体上面から、コブ状にやや張り出しています。この部分をまず切断しておきます。
そして、切断したパーツは捨てずに保管しておきます。

劇中でも「異常に長大な主翼」と表現されていますが、1/72相当でも翼長は40センチにもなります。
1/1000アルカディア号を、まだ一度も製作していない私にとっては、これが「自身最大の製作モデル」ということになります。……完成まで持っていければですけれど(^_^;A。
当然、そうそう単純に流用出来るキットパーツはありません。ハセガワの1/72「連山」なら十分かもしれませんが、おそらく形状が問題になりそうです。とりあえず、「飛龍」と「一式陸攻」の主翼をミックスしてみる計画です。
……「一式陸攻」の機体に改造の痕があります……昔、「音速雷撃隊」製作にチャレンジしようと、ハセガワの11型 (なぜか搭載出来ない桜花が付属) から桜花搭載型 (24型?かな) への改造を試みましたが、果たせませんでした。
今はもう正規の型がキット化されているので、二度と挑戦しないでしょうね。
翼を繋ぐことにより、どちらかのエンジンナセルのふくらみが邪魔となります。接合箇所を検討し、「飛龍」のナセルを削ることにしました。
やはり劇中で「B17に似た垂直尾翼」と称されていますので、垂直尾翼もそのままでは使えません (小さいのです) 。ここはプラバンでの完全新造を予定しています。とりあえず、カットだけ済ませておきます。
さて……問題はナセルを切り取った部分の補修です。微妙な曲面を描いていますので、難しいところなんですが、まずは0.2ミリプラバンで裏打ちした上に数枚張り合わせて、更にエポキシパテを薄めに盛り上げてみます。
今度は水平尾翼です。形状を検討してみると、ちょうど良いジャンクパーツがありました。1/48スケール「紫電」の水平尾翼が形状としてはぴったり……ただし長さが足りません。
延長するためにピンバイスで穴を開け、補強用の真鍮線を埋め込みます……こういう箇所にはこの作業は必須です。現在……「グレートヤマト」の右の尾翼が折れたままになっています(;-_-+この処理を怠っていたからなぁ……。
この1/48「紫電」はプロペラスピナーを「まほろば3199」のバルバスバウに使用していて、すでに製作不可の状態でした。やはり、造る予定の無くなったキットも、捨ててはいけないのです(笑)。
コクピット部分はほとんど見えなくなるため、どの程度造り込むかまだ思案の外です。ただ、機体に挟み込む関係上、まず「飛龍」のパーツを機体の右側のパーツに接着しておきます。このとき、10ミリほど取り付け位置を後方にずらしています。コクピットの位置が、当然変わってきますから……。
ここで、決断の時です。「脚をどうするか?」という問題です。劇中では殆どが飛行シーンで登場しており、着陸しているカットは遠目の小さいものと、機体の一部アップの2カットのみでした。
最初に思い描いたのは、「このサイズならば、脚の引き込み可動に挑戦してみようか」ということでした。
脚柱パーツは比較的大きいもので、脚の引き込みそのものには、ある程度見通しが立ちましたが、ハッチのヒンジ部分の工作処理に関してはやや不安な点があるため、今回は断念しました。
そして、思い切って「飛行状態での製作」に決定。翼長40センチのものをスタンド固定というのも怖いものですが……更には「プロペラの回転」ということも脳裏にちらついてきています……この点に関しては結論はまだ出しません。
「脚」に関しての結論が出たところで、機体を接着します。
そして、カットしておいたキャビン部分のパーツを取り出し、逆に機体の下腹に接着します。これは「キ74」の爆弾倉の形状に比較的似ているためです。
微妙な曲面構成を再現するためには、やはり極力流用パーツ前提で考えたほうが安全ですね。
側面からのカットです。
まだまだ欠落している部分がありますから、これからそれらを増設していく段取りです。まずは後部からです。
後部には搭乗ハッチがあります。「与圧キャビン」を備えている機体のためか、日本機の中では特殊な部類になるようですが、このハッチ近辺は爆弾倉と一体のふくらみにあり、微妙なカーブを持っています。流用パーツを物色したところ、ハセガワ1/72「99式双軽爆撃機 (キ48) 」の機体を発見。後下方銃座のハッチ部分周辺です。これを流用します。
この機体も1/72の「屠龍」製作の素材 (ケースハードの『爆撃兵団 鵺』仕様) のために、かつて購入しておいたものです。これも、今は「屠龍」の型違いのものがありますから、使用するならそちらですね(笑)。
まず周辺部を切り取ります。
削り込みの処理には時間を取られましたが、なんとか機体に接着。ラインがまるで繋がっていませんが、あとでエポキシパテで調整、といういつもの手段です。
「飛龍」の機体後端はかなり大きめの銃座区画があり、そのため風防部分が大きめなのですが、この透明パーツ部分は、最後に塗装で塗り潰すのを前提として、通常パーツと同様に扱います。プラバンで新造ということも考えましたが、強度はあるようなので、そのまま使います。
主翼部分のエポキシパテが乾燥したので、デザインナイフで荒削りにカットしたあと、ひたすらヤスリがけです。ちょっと時間を取られそうですね(;-_-+
接着した搭乗ハッチ近辺にエポキシパテを盛り付けて、大まかに整形しておき、乾燥時間を置きます。
現状はこのような具合です。とりあえずは機体や翼を平行作業で進めています。一回目の進行具合としては、まずまずでしょうか。手を焼くことになるのは、機首の新造 (まだまったくの無策……ヒートプレスしかないような気がするんですが……(^_^;A) と翼の継ぎ合わせ……それに、「こんなものを入れるケースがあるだろうか」という問題と、「あってもそれを置く場所が部屋に無い(-_-;)」ということです。
実機そのものはさほどの巨人機ではないのですが、私の製作遍歴では、まぎれもなく巨人機です……さて、どうなりますことやら……。