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艦体の形状がまとまってきたところで、ディテールを追加する作業に入ります。
参考にしたのはコミックの2巻です。1巻とは明らかに甲板上のディテールが異なっています。また、1巻では潜水中の全体像が描かれていますが、艦体下部の形状は従来の大和型とほぼ同型で、2巻の裏表紙に描かれている全体像とはその違いは歴然。バルジを大きく太らせた関係上、ディテールもそちらを参考にするのが無難と判断しました。それでも不明点はいくらでもあるのですが……。たとえばこの後部の甲板です。
大和型では艦載機の航空甲板なのですが、「まほろば」の艦載機はまだ登場していません。しかし、艦載機用の軌条らしきものが描かれています。判断つきかねた挙句、あえて軌条という表現はやめることにしました。
まず、ガイド用に線を入れていきます。 |
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中央部から艦首にかけては、比較的詳細な描写がなされていますから、あまり迷いは生じません。こちらも同様にガイド線を書き込んでいきます。描写されたり、されなかったりの木甲板のモールドは最終的にオミットしました。これが「1945年」バージョンならば、入れない訳にはいかないのですが、大幅な改装後ですから。
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いくつかのディテールはプラバンからの切り出しで処理してきます。
艦首付近、二重になっている波切り板の狭間に、松本メカではありがちな突起が存在します。1ミリプラバンに書き込みをして、デザインナイフで切り出し、切断面の処理を施します。 |
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完全にセンター位置に合わせるため、瞬間接着剤は避けます。
これでまた24時間ほど放置して完全乾燥を待ち、甲板となじませる処理に入ります。 |
副砲の砲身も、やはり主砲と同様の改造に踏み切ります。
ただし、砲身を可動させるというような無茶はやめます。私の技術ではかなり辛いのです。
砲身の先端を2ミリほどカットします。右側のものがカットした状態。 |
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直径0.9ミリの真鍮パイプを5ミリの長さでカット。
合計6本…今度はストレスは感じません。
内径が0.73ミリなので、700倍した実口径は……とてつもなくオーバースケールとなってしまうのは承知の上のことです。
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瞬間接着剤を砲身に塗り、切断したパイプを差し込みます。
ちょうどパイプとプラ部分との境目に瞬間接着剤を塗り、補強しておきます。
念の為ここで12時間ほど放置。 |
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ずいぶんとゴツい副砲になってしまったようです。
……しかし、主砲とのバランスを考えれば、まあまあのところでしょうか。
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甲板へのモールド入れに使う道具です。
特別なものはほとんどありません。
Pカッターにデザインナイフ、ケガキ針、定規、左側の3枚がケガキ針のガイド用の専門道具です。
単純な直線以外のモールドを入れる際には、かなり重要なものですので、新規購入しました。
これらの道具で、ガイド線をなぞっていけばいいのですが、言うとやるとは大違いで、なかなか厄介です。 |
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接着剤が完全に乾いたところで、400.600の順に耐水ペーパーをかけた状態の写真。
プラバンの切り出したものなどは、この処理を怠ると妙に浮き上がった感じになってしまいます。それが塗装したときにはっきりします。
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さらになじませるために、溶きパテを塗ります。
表面の様子を見ながら、結局は7〜8回は重ね塗りしました。
また半日程度放置したのち、水ペーパーがけです。 |
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副砲砲身、接合部に違和感があったので、結局プラ部分に溶きパテを塗ることにしました。 |
ケガキ針でモールドを彫っている最中です。
ガイドがあるとはいえ、キットのプラスチックは結構硬くてなかなか大変です。一度では到底ケリがつきませんので、何度も何度も軽くなぞるような気分で彫り込んでいきます。 |
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ある程度彫り込んだら、一度1000番の耐水ペーパーをかけて、表面を慣らし、今度はガイドなしで、力を強めに加えつつまた何度もなぞります。
つい針先が流れてしまい、違う場所を引っかいてしまったりもします。多少の傷ならば耐水ペーパーをかければ消えてくれます。 |
段差が必要な部分…これは第3主砲の両脇ですが…ケガキの処理の後、彫刻刀で、掘り込みます。
ケガキ針と同様に、最初はなかなか刃先を受け付けてくれずに難渋しました。
この写真は、ある程度深くなってきたので、ガイドをはずして更に掘り込んでいる時のものです。 |
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…最初のプランニングがいけなかったのです。深く掘りすぎて貫通してしまいました (左端) 。
確かに、最初に完全に穴を空けておいて、プラバンで裏打ちしておいておけば、こんな手間もかからず、なおかつもっと綺麗な仕上がりが望めたのです。 |
…スジボリに失敗。
後部甲板の段差がある部分は、円弧のスロープをつけてしまったために、直線を引くのが困難になってしまいました。
当初、見てみぬふりをしようかと悩みましたが、あまりにひどいので修正します。 |
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スロープを諦めて直線的なラインで仕上げます。
ブロックペーパーで根こそぎ削り取るぐらいの気持ちでカーブがついている部分をこそぎ落とします。
あとはいつものように400、600、1000の順に耐水ペーパーがけです。 |
リテイク後……まだかんばしくない仕上がりですが、前よりはだいぶましになってきましたので、このまま進めます。 |
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溶きパテを塗って表面を整えます。
…やはり、まだヘタクソなラインです。
単純作業には違いないのですが、そういうのに結構落とし穴があるようで、どうも十数年前と熟練度が大差ないようです。 |
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砲と中央構造物を仮搭載した全体の写真です。
側面から全体像をフレームに収めると、こんなサイズになるほど大きくなってしまいました。
次回も引き続き、ディテールの追加作業。出来れば艦体にサフを吹くあたりまでもっていきたいと考えていますが、さて、どうなるものか。
さて、次回第14話は10月29日(日)ごろに更新予定です。
「まほろば」完成まであと15日(……もうこの日数では無理です。すみません)
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