2000.09.23 NEW
「やまとは くにの まほろば」 ТОPへ戻る
 さて、しばらく地味な作業が続きましたので、今回は「見栄え」のする部分に手をつけたいと思います。
 写真はキットの半素組み状態の第2主砲。1/700スケールとしては、近年リメイクされたキットだけあってかなりの精巧さで、別に不満があるわけでもないのですが、当初から、この主砲だけは趣向をこらせたいと考えていました。
 この主砲の砲身を全て金属で自作して交換します…計15本です。
 砲身を抜き取った状態の写真です。上の写真のほうが解りやすいのですが、先端部がラッパ状になっているのは、多少オーバーな表現ですが事実です。砲身先端、つまり砲口部の直径はこのように先太りになっています。ただ、ここまで再現するのは無理なので、その点についてはオミットしてしまいます。
 今回使用するのは真鍮製のパイプです。
 現実に計画されていた、大和の後継艦の主砲は50.8サンチ砲で、実はこれも加工された真鍮製のパーツが販売されているのですが、15本揃えるのはかなりの出費になってしまうので自作に踏み切りました。
 せっかく砲身を作り直すのであれば、どうせならば可動させたいと考えました。
 まっさきに思いついたのがポリキャップによる可動です。写真はボールジョイントなどとセットになっているもので、サイズは一番小さいものをとりあえず物色しておきます。 
 まず、直径1.1ミリのパイプ (内径0.93ミリ) を25ミリの長さに切断します。
 もちろん15本必要になります。内径の0.93ミリは700倍だと651ミリ…あきらかにオーバースケールなのですが、「イメージを優先」すれば、不自然にならない限り砲口は大きく見せたいところです。 
 続いて、直径1.3ミリ (内径1.13ミリ)のパイプを同様に15本用意します。
 これらは長さを14ミリとしました。  
 太いほうに、細いパイプをさし込みます。この写真ではかなり見辛いですが、わざわざこんなことをするのは、「ただのパイプの断面」に見えないようにするためです。多少なりとも「砲口」らしく見せるための手段ということです。15本すべて瞬間接着剤で接着してしまいます。
 キットの砲身との比較写真。
 25ミリに14ミリのものを重ねたりして、長さが中途半端なのですが、たまたま真鍮パイプの在庫が無かったための苦肉の策です。同じ長さにしたほうが、本当はベターですね…。 

 太さ、長さともにだいたいこんなものでしょうか。
 砲身を交換するとなると、砲室にも加工する必要があります。
 キットままでは、砲身の可動はおろか、固定もできませんので、開口部をさらに広げてやります。
 右側 (写真では手前) が開口部を広げた状態…。
 このぐらい細かな加工となると、さすがに普通のカッターナイフでは辛くなってきます。
 今回の作業のために、アートナイフを購入しました。最近は文房具コーナーなどでも扱っていますから、わりあい手軽に手に入ります。切れ味がカッターの比ではないので、さほど力もいりません。
 力はいりませんが、15回同じ事を繰り返すのは、やはりなかなか面倒なものです。
 やっとの思いで5基全ての砲室に手を入れました。
 こうなった以上は、砲身の可動を必ず成功させなければ、せっかくの作業がムダになります。
 砲身を可動させるための方法として、深い考えなどなにもなく思いついたのが、こういったポリキャップの組み合わせです。
 中央のみボールジョイントなので、左右にぶれる心配もありますが、開口部の幅が狭いので、まぁほとんど問題はないようです。 
 しかし……一番小さいサイズのものを用意したというのに、これでも砲室内部に仕込むには大きすぎたようです。
 あえなく、この方法は断念です。
 接着剤も完全に乾燥した、15本の主砲砲身。
 ほとんど全ての写真で、下に写っているカッターマットですが、桝目の一辺が1センチです。
 この砲身を眺めていたら、砲身の可動部に関して、別の方法がひらめきました。
 この真鍮パイプの余りを活用します。
 直径1.6ミリ (内径1.43ミリ) のパイプをやはり15本、今度は12ミリの長さで切り出します。
 これが砲身基部の一番太い部分になります。
 
 同じ太さのものをこれまた15本、3ミリほどに切り出します。
 そして、この2種類のものを「Т字型」に接着します。……どうするつもりでいるかは、もう解っていただけると思います。
 接着はもちろん瞬間接着剤を使用。ゼリー状のものを使っているとはいえ、接着面があまりに少ないので、なんらかの補強が必要かもしれません。 
 そうとうな失敗を重ね、数時間のちにようやく計15本の接着が終了…。
 なんとかモノになりそうな気配がしてきました。
 
 直径1.3ミリのパイプを芯として通してみました。
 さらに、最初に作っておいた砲身部を差込みます。まだ接着はしませんが…。特に問題もないようなので、この方法でやってみることにします。砲室内部にどのように固定するかは後で考えるとして、とりあえず中に組み込んだのが下の写真です。
 なかなか威風堂々というか、重厚な感じが出てきたように思えます。
 この「まほろば」が完成した暁には、こういうアングルの写真も撮りたいがために、あえて今回の改造に踏み切りました。
 しかし、またしても問題発生。この写真でも解ると思うのですが、どうも第3主砲の位置が「低すぎる」ように感じられます。また調整が必要かも…やはりもっと計画的に進めなければダメですね。
 次回(第10話)は9月30日(土) ぐらいの予定です。数日早まる可能性もあります。当初不安だった 「毎週の更新」 にもだいぶ慣れてきましたので、基本的に告知日か1日2日前には更新しているものと考えておいて頂きたいと思います。
 
「まほろば」完成まであと45日(推定)